八王子消防署でいろいろ聞きました!2

災害時などにボランティア協力するには


―― 一般市民がボランティア協力をする場面はいろいろ想定できると思いますが、大きな地震のときやそれ以外の火事などで、どんな協力ができるか、お話しいただけますか?


震災などの災害時には、同時多発で火事などが起こります。そのため、どうしてもボランティアの方のご協力が必要になります。東京消防庁では、阪神淡路大地震を契機として災害時支援ボランティアを発足させております。八王子消防署には現在、500名程度のボランティアが登録されており、消防隊への後方支援を行う体制ができています。

また、火災現場では消防隊は危険を予知、想定して警戒線を張りますが、どうしても現場に入ってある程度状況を把握してからになります。火災は突然どういう変化をするか分からないですから、火災に近づくことは非常に危険です。例えば中からプロパンガスのボンベがいきなり飛んでくることもあります。初期消火が可能なのは壁に火が立ち上がった状態までで、天井まで火が届いた段階ではもう無理です。その点を判断の基準にして、危険な現場には近づかないでいただければと思います。

――ボランティアの登録はどちらで?

消防署でつねに受け付けています。このことは平常忘れられがちですが、そうした状況を無くすためにも、9月1日の防災の日や防災週間、1月17日の防災ボランティアの日などで思い出していただけるよう活動しています。ただ防災意識が高まっているときには集まりやすいですが、その意識が薄れてくるとなかなか難しいですね。
(本文右横の写真からも申請用紙のリンクがされております。)

――広域災害のときなどは、自分に余力があればまず消防署に来て、何か手伝えることはないか聞けばいいわけですね。

そうしていただければ助かります。また、各地域の町会などでも震災時用にいろいろな道具を備えているところが多いですから、是非それを活用していただきたいですね。一番近くにいる人間が早期対応して助けるのがもっとも人命救助の率が高いのです。普段からそういうことを町会で確認していただくとか、関心を持っていただければと思います。万一の時の備えですが普段から知っておいていただけるといいですね。

住宅用火災報知器の各家庭への設置が義務化

――現在、市民にあまり認知されていない活動があればご紹介ください。


今まさに旬の話ですが、平成16年10月1日から住宅用の火災警報器設置が義務化されまして、新・改築以外の住宅でも東京都では平成22年の3月31日までには付けてください、ということになりました。まだ周知が徹底しておらず、猶予期間もかなりあるためなかなか浸透していない状況です。

設置の法律化に至った背景には、いろいろな施策で火災件数そのものは減っているにもかかわらず、火災による犠牲者数は横ばいでなかなか減らないという状況があります。その理由ですが、やはり火災の発見が遅いからだと考えられます。欧米の例ですが、火災警報器を家庭に取付けたところ犠牲者数が半減した、というデータがあります。警報器は煙や熱を感じて鳴りますから、寝込んでいても目が覚めるんですね。自分のところに煙が来る前に知らせてくれる。今までは寝ていて気づかず煙に巻かれて亡くなっていたケースでも、助かるようになったということなのです。

――自衛のための器具と言えますね。

その通りです。2年ほど前から施行を予告してましたが、その間にどんどんコストダウンされまして、現在はかなり安価になっています。東京消防庁管内の火災による犠牲者数は現在年間百数十人ですが、この設置によって減らせれば、と思っています。
われわれ消防の目的は人の生命、身体、財産を守ることですが、消火活動だけでは限界があります。いくら速く現場に着いても、燃えている建物の中に人が残されていたらどうしても助けられないケースも多いのです。この住宅用火災警報器を使うことによって、大切な命が守れるのではないか、と考えております。早い段階で火災の発生を知ることができれば、それはそのまま生きのびる時間につながりますから。大きな集合住宅ではすでに大体設置されていると思いますが、それを個人の住宅にまで広めて行こう、ということです。そのことによって多くの人の命を助けることができると考えております。

――煙式と熱式の2種類ありますね?

原則は煙感知器ですが、台所では魚を焼いた煙でも検知して鳴ってしまいますので、特別に熱式が認められています。
<試しに鳴らしてもらうと、かなり甲高い警告音が鳴り響く>

――これなら気が付きますね。

台所以外の部屋(階段を含む)には煙式を設置してください。就寝中に部屋に煙が入ってくれば警告音が鳴って気付きます。これを各部屋に設置していただきたいのです。住宅用火災警報器の設置はこれはご自分の生命と財産を守ることになります。

結局ご自分でやるしかない、というのはわれわれにとってはある意味で無力感を感じる部分でもありますが、そこまでやらないと人命を助けることは難しいと考えております。現在多くのメーカーからいろいろな機種が出ていますので、ご自分の目で検討していただければいいと思います。

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