非抜歯矯正

それでは、今回は成人の矯正治療についてお話しさせて頂きます。 患者さんは30歳代で、主訴は『上あごの2番目の歯が逆』つまり 前歯部の叢生で来院されました。まず顔貌から観てみますと側貌から 上唇部に若干陥凹感が認められました。


続いてお口の中を拝見すると上顎の両側の側切歯(前から2番目の歯) が上あごの方に転位し反対咬合になっています。

また下顎の前歯部の叢生も気になるところですね。

そこでこの様な成人の叢生ケースでは、上下顎両側第一小臼歯(前歯から数えて4番目の歯)を抜歯して出来る空隙を利用して叢生を改善 するのが通例ですが、この方の歯列弓に注目して頂くと上下共に狭窄(狭くなる事)し舌が臼歯部の後ろの方で窮屈になっているのが、お 判り戴けますか? この状態から抜歯矯正治療を選択すると治療完了後、舌がもっと臼歯部に乗ってしまい、舌の居場所が不足する事にも なりかねないので、第一回目にお見せした4歳の女の子と同様の歯列弓を拡大する装置で、非抜歯にて治療を行ないました。 歯列弓の拡大や、第3大臼歯の咬合の確率などで保定を含め治療には約5年間かかりました。完了後の顔貌(写真7)と口腔内の状態です。


初診時の写真と比較して頂くと、特に下顎では収まりの悪かった舌が、楽に下りているのがお判り頂けますか?

側貌では上下の口唇のバランスが改善されています。


抜歯矯正

 次に、成人の患者さんの抜歯矯正治療についてお話しさせて頂きます。
患者さんは20歳代の女性で、主訴は『上下デコボコ』を主訴に来院されました。  初診時の顔貌及び口腔内の写真です。

 

上下顎の重度の叢生と歯列弓の狭窄がお判り頂けると思いますが、側貌はかなり良好と思われました。  そこで非抜歯にて矯正治療を行なうと、歯列は改善してもそれによってかなり上下口唇に突出感を呈してしまう事が懸念されましたので、抜歯矯正治療を選択致しました。 通例では上下顎両側第一小臼歯(前歯から数えて4番目の歯)4本を抜歯する事により生じる抜歯空隙を利用して叢生を改善し、上下顎咬合の安定を図りますが、この患者さんの場合はムシ歯の治療状態等から上顎は両側第二小臼歯(前から5番目の歯)、下顎は右側の第二小臼歯(同)を抜歯する事とし治療を開始しました。

     

ここで下顎は左側第一小臼歯の抜歯を決定し上下顎咬合の安定を図り治療を完了させました。  
保定を含め約5年の治療後の顔貌及び口腔内です。

結果として綺麗な横顔は維持されデコボコの無くなった 歯列はムシ歯の数が減り、さらに上下顎咬合も安定しました。

 この頃良く電話でお問い合わせ戴くのは、矯正の治療期間と費用についてが多い様に思われますが、矯正治療方針やそれに伴う費用は、その症例により千差万別です。
気になる方は是非一度専門医に相談の為、足を運ばれる事をお勧めします。

 
次回は『噛み合わせの異常で!?』についてお話しする予定です。

 

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